概論
運送業には、大きく分けると荷物を運ぶ「貨物運送業」と人を運ぶ「旅客運送業」があります。
さらに、貨物運送業には「一般貨物自動車運送事業」「特定貨物自動車運送事業」「軽貨物運送事業 」の3つがあります。
旅客運送事業には「一般旅客自動車運送事業」「特定旅客自動車運送事業」の2つがあり、前者はさらに「一般乗合旅客自動車運送事業」「一般貸切旅客自動車運送事業」「一般常用旅客自動車運送事業」の3つがあります。
ここでは貨物運送事業について説明します。
一般貨物自動車運送事業
普通の人が運送業と聞いて思い浮かべるのが、この一般貨物自動車運送事業です。
○○運送と書いてあるトラックが荷物を運んでいるイメージです。
それでは「一般貨物自動車運送事業」とは厳密にはどういった仕事なのでしょうか?
簡単に言うと「他人に依頼されて物をを自動車で運び運賃をいただく業務」ということになります。
一般貨物自動車運送事業をもっと詳しく定義すると以下のようになります。
貨物自動車運送事業法2条2項
この法律において「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。
上の定義に照らすと、自分のものを運んだり、他人のものでも無償で運んだり、自転車で運ぶ場合は一般貨物自動車運送事業には当たらないことになります。この場合、運送業の許可は必要ありません。
注意して欲しいのが、「他人」の意味なのですが、これは「不特定多数」を意味します。
「特定の一人」の荷物を運ぶのでしたら、それは一般貨物自動車運送事業ではなく下で説明する「特定貨物自動車運送事業に当たります。
特定貨物自動車運送事業
特定の荷主の荷物だけを、自動車を使って有償で運ぶ事業を「特定貨物自動車運送事業」といいます。
製造業などの子会社などがそれにあたります。子会社は法人格は親会社とは別なので親会社の荷物は「他人の荷物」です。
ただ、現在では一般貨物自動車運送事業と取得の難易度があまり変わらないため、貨物運送業を始める人はほとんどが、一般貨物自動車運送事業許可を取得します。
貨物軽自動車運送事業
貨物自動車運送事業法2条4項
この法律において「貨物軽自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車に限る。)を使用して貨物を運送する事業をいう。
貨物軽自動車運送事業とは、軽自動車によって他人の荷物を、運賃をいただいて運ぶ業務です。
宅配便やバイク便などを想像してください。
軽自動車とは三輪以上の軽自動車と、125㏄超の軽二輪と小型二輪車のことです。
一般貨物自動車運送事業と違って、「許可申請」ではなく「届出」となっており、比較的簡単に始めることができます。
運送業者かどうかはナンバーでわかる
運送業(一般、特定、軽)を営んでいるかどうかは、ナンバーを見ればわかります。
ご存じの方も多いと思いますが、緑地に白文字(緑ナンバー)と黒地に黄色(黒ナンバー)の車が運送業者の車です。
白ナンバーのトラックを見かけると「大丈夫かな?」と考えてしまいます。
ゴミ収集車や産廃業者の車なども結構白ナンバーで走っています。
コンプライアンスが厳しい荷主などは、一般貨物自動車運送事業の許可を求めてくるところも多いので、きちんと許可を取得しましょう。
埼玉の一般貨物自動車運送事業の新規登録・変更は、行政書士アスナ事務におまかせください!