一般貨物自動車運送事業変更の認可・届出

 運送会社を経営していくうちに、様々な変更が起こります。

人的なところでは、役員や運行管理者、整備管理者の退職に伴う変更、設備的なところでは、営業所や車庫の引越しなどがあります。

 特に、営業所、休憩・睡眠施設、駐車場などは用途地域による制限があるので、売買や賃貸借契約をしてしまった後に、実はそこは使えませんなどということもあり得ます。

 これらの変更が起きそうなとき、まずは行政書士などの専門家にご相談ください。

申請までの流れ

事業計画変更

認可と届出の違い

 認可とは本来、市民同士で行える法律行為を、行政庁に認めてもらうことでその効果を発揮することです。
 例えば、鉄道会社が運賃を値上げする行為は、行政庁に認可をもらってからその効果(値上げ)が発生します。
 届出とは、行政庁に事実を知らせることで、届出た(届出の通知が行政庁に到達した)ときにその効果が発生します。
 認可と届出の違いは、認可には行政庁の判断が伴うのに対し、届出は要件さえ整っていれば行政庁は受理しなければなりません。

認可が必要な変更

①営業所の新設・移転
 同一住所でも建物を新築して移動した場合など、変更の認可が必要になります。

②車庫の変更
 所在地だけでなく、拡張・伸縮の場合や無蓋車庫から有害車庫への変更などの場合も認可が必要になります。

③休憩・睡眠施設の変更

④事業承継に伴う変更

⑤営業主の変更

⑥貨物自動車運送の利用

⑦特別積み合せ運送の開始

届出が必要な変更

①名称・住所・主たる事務所の変更

②営業所配置車両の数
通常の変更でしたら届出ですが、以下の場合は認可になります。

⑴最低車両(5台)を下回る場合(ただし、霊柩、一般廃棄物、島しょは除きます)

(例1)10両 → 7両 ⇒ 届出
(例2)10両 → 3両 ⇒ 認可

⑵増車する車両数が、申請日から起算して3ヵ月前時点の車両数の30%以上であり、かつ、11両以上である場合

※下の例はいずれも3ヵ月以内に増車した車両数の合算です。

(例1)10両 → 12両 = 20%増 ⇒ 届出(30%未満かつ10両以下)
(例2)10両 → 15両 = 50%増 ⇒ 届出(30%以上だが10両未満)
(例3)37両 → 48両 = 29%増 ⇒ 届出(10両以上だが30%未満)
(例4)36両 → 47両 = 30%増 ⇒ 認可(30%以上かつ10両以上)

⑶増車については以下に該当する場合

イ)親会社など会社の実質的支配者であるものが貨物自動車運送事業法5条の欠格事由に該当する場合、あるいは親会社など会社の実質的支配者であるものが許可の取り消しを受けて5年を経過してい場合


ロ)変更に係る営業所の行政処分の累積点数が12点以上である場合認可申請になると行政処分後6ヶ月間申請できなくなります。
すぐに増車をしたい場合は、庸車などで対応することになります。

ハ)変更に係る営業所が、申請日前1年以内に、地方貨物自動車運送適正化事業
実施機関による巡回指導の総合評価で「E」の評価を受けている場合

③運行管理者・整備管理者の変更

④運賃設定・変更